エコキュート床暖房について
現状
原子力発電所の問題などで最近はCMを自粛している各電力会社さんですが、以前は積極的にオール電化CMを行っていたため、今でも一般ユーザーの認知度が高い。発売メーカーは、コロナ、ナショナル、三菱、ダイキン等。
基本的にエコキュート(冷媒CO2)は、10℃の水を90℃のお湯にすることを得意としています。(内臓しているガスの特性より)
COP(消費電力あたりに加熱する能力・この数字が高いほど効率が良い)という表示があります。深夜お湯を沸かす場合、エコキュートはCOPがおよそ5.0です。これは1.0の電力を使用した時に、5倍の熱を発生することができると言うことです。
エコキュートの定格COPは外気温16℃、給水温度17℃、沸き上げ温度65℃時のものです。
この条件から外気温が下がる、給水温度が上がる、沸き上げ温度が上がるとCOPは低下します。
エコキュート床暖での使用条件はこれらのすべてを満たしますので床暖房で使用してお湯が足らなくなり昼間に沸き増しする時には、COPが下がるのです。
エコキュート床暖でランニングコストが高くなる理由としては
・お湯の使用量が絶対的に増えるため、タンクに貯湯したお湯では賄いきれなくなり、単価の高い昼間の電力を使う。
・エコキュートの苦手とする中間温度帯から90℃への沸き上げが給湯のみの場合に比べ増えるため、効率が下がる。
ということは、非常に効率の悪い状態です。
想像してみてください。床暖房は55℃から35℃程のお湯が一定の温度を保ちながら、循環しているのです。
先程の10℃から90℃まで温度を上げるときは効率がおよそ5倍なのですが、いざ、一定温度を保とうとすると効率が非常に悪くなるのです。
あなたが、床暖房を8畳だけ敷設し、3時間しか使用しないのであればエコキュート床暖房はとてもランニングコストが安いと思います。
しかし、敷設面積が広く、また休日、長期休み、ご家族が昼間も床暖房を使用する状態があるようでしたら、慎重に採用をされたほうが良いと思います。
仮に、オール電化の契約をしていても昼間の電気を使うようだと電気代が高いですよね。
また、すぐに沸き上がるものではないため、広い範囲では使えないと判断した方がよい。
そして、こんなご質問もありました。
「460Lのエコキュート床暖房を給湯では使用しないで、床暖房のみでどれほど使えますか?」
私どもの回答は、
「畳数は同じ18畳までです。地域によりますが時間的にはおそらく4〜5時間です。
理由は床暖房で使用する温水は毎分かなりの流量を必要としています。そして立ち上げ時には相当な負荷が掛かるためです。
可能面積ですがメーカーカタログにうたってある18畳というのはあくまでも次世代省エネ基準を満たした畳数であり、24時間使用したいということですと気密の良い住宅で10畳まで可能面積となります。
なぜ畳数が減るのか?それは床暖房ではかなりの流量のお湯を必要としますので、18畳ではエコキュートが昼間に沸き増しする能力が間に合わないということもあるからです。」
下記の表では例として試算したのが、床暖房面積が8畳の場合、4人家族でお湯を使うと、床暖房は残りのお湯で3時間使用できる。足りなければ昼間の電力を使うことになるという結果です。
日曜日、祝日、長期休みなど1日中家にいる場合は、ランニングコストの面からも見て難しい。
これは、給湯のみのエコキュートでも同じで、容量をしっかり確認しないと沸き増しをすることになりますので、ご注意くださいね。
2004年からレポートしていますが、現在も大きな変更はありません。